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ギリシャの選挙結果

ギリシャの選挙結果

 

1月25日にギリシャで行われた総選挙で緊縮財政に反対する急進左派連合(SYRIZA)が

勝利しましたが、これが再び欧州危機の再燃になりかねないと懸念が広がっていま

す。唯、ギリシャ国民にとって選挙結果はもう緊縮財政には堪えられないということ

の表明であり、ギリシャ国民にとっては「理不尽な」緊縮政策の押し付けには堪忍袋

の緒が切れたと言っていいと思います。

 

ギリシャの現状は、緊縮財政を続けてゆけば国民全体が貧困へと落ち行くのを座して

待つ状態と言えます。それほどのギリシャの人々の生活は困窮を極めていたのです。

その状況で、急進左派が勝利することは火を見るよりも明らかでした。

 

問題は、ギリシャ欧州連合(EU)との関係です。EUは、仮にギリシャが借金の返済の

免除をEUに対して求めてきても突っぱねると宣言していて、最悪の場合、ギリシャ

EUから離脱するかもしれません。それほどにギリシャ国民は追い詰められているので

す。貯蓄を取り崩して何とか生活できている人はギリシャでは「勝ち組」で、それす

らも出来ない人たちは教会に縋って何とか生き延びている状態です。そんな困窮にあ

ギリシャの公共施設が、中国資本に買い占められているという現状もまた、ギリシ

ャにとっては我慢がならないことで、正直な話、ギリシャの国民は「もう貧乏には堪

えられない」という切羽詰まった声が急進左派連合の勝利だったのです。

 

欧州は、これから一段と不透明感を増すように思います。ギリシャの問題はギリシャ

一国に留まるものではなく、EU、そして世界市場においても不安材料として影を落と

し、ギリシャ発の世界不況が始まるかもしれません。しかし、それは世界は甘受すべ

きものなのかもしれず、世界の歪みをギリシャ国民にのみに負わせることは、それこ

そ反ヒューマニズムと言っても過言ではありません。