いろいろな事があるんだね

社会、経済、身の回りについて思考する

ISILの論理

ISILの論理

 

過激派組織ISIL(イスラム国)は、次々と残虐なテロ行為を繰り返していますが、その

ISILの論理的基盤となっているのは、7世紀の預言者ムハンマドが生きた時代のコーラ

ンの解釈で、それは、これまでイスラム教徒が積み上げてきた歴史を全否定する原理

主義の亜流に過ぎないのです。そのために、例えばイスラム教では神しか許されてい

ない人を焼き殺す焼殺をヨルダン人パイロットに行えたのです。つまり、業火の再現

です。

 

ISILの指導者、バグダディ指導者は預言者ムハンマドの後継者として名乗りを上げてい

て、イスラム社会を7世紀の社会に戻そうとする、教義もへったくれもない日本で言え

ば、オウム真理教の経典のような継ぎはぎだらけで、その解釈はご都合主義に過ぎ

ず、それだからこそ、簡単に人が殺せるのであり、ISILの残虐な行為は全てISILの人間

にとっては教義に則ったことにしか感じていないのです。

 

オウム真理教もいとも簡単に殺人を行っていましたが、ISILもまた、コーランの経典の

上っ面をご都合主義で解釈しているのであって、人殺しは預言者ムハンマドが命じた

ものとして正当化してしまっているのです。しかし、それはとても恐ろしいことで

す。

 

そこには最早宗教の名残りさえない野蛮な殺人鬼が屯しているだけの烏合の衆でしか

ないのですが、集団心理というものはかくも恐ろしいもので、人殺しが日常茶飯事の

ことになると、それが異常であるとは最早思わず、当たり前のこととして人間は受容

してしまうのです。

 

また、ISILは奴隷制度の復活を謳っていますが、それも7世紀のイスラム社会に戻そう

とすることの一環でしかありません。ISILは恐怖政治で、支配地域の住民を支配してい

ると思われますが、現状に不満を持つものがISILの教義や行為に賛同して、世界各地か

らISILに参加する若者が絶えません。これもオウム真理教を髣髴とさせ、ISILは結局、

暴力が支配する厳然とした階級社会を実現しようと本気で考えているようで、そのた

めならば人殺しも厭わないというその余りに短絡的な殺人という行為に、世界は愕然

としています。

 

毒ガスを作るために化学工場を密かに作っていたオウム真理教は、結局日本社会では

殲滅させることは出来ていません。アレフなどと名を変えてオウム真理教の残党が今

も尚薄っぺらな継ぎはぎだらけの経典を信じて活動しています。国家の監視の下とは

いえ、オウム真理教のたどった経緯を鑑みれば、オウム真理教イスラム世界版とい

えるISILの殲滅もほとんど不可能に近いと思われますが、しかし、ISILの行動は国連

らば国連の監視下に置かなければ、悲劇は尚も繰り返されるのみで、世界中がテロの

恐怖に脅える何ともいやに社会が到来することになります。