理研の野依理事長辞任へ
理研の野依理事長辞任へ
理化学研究所の野依良治理事長が、今月末で辞任する意向を政府関係者に伝えている
と言います。野依氏は2001年、ノーベル科学賞を受賞し、2003年から理研の理事長に
就任していましたが、2018年3月までの任期を俟たずに任期途中での辞任になります。
これは偏にSTAP細胞騒動によるものとみられ、理研にとってSTAP細胞問題がいかに
大きな傷だったのかが解かります。野依氏の辞任で、理研は一区切りを迎えることに
なりますが、成果がなければ首になるという厳しい環境の中で若い研究者を育成する
という重責を理研がこれまで担っていましたが、その重責はこれからも全く変わらな
い筈です。なぜ、STAP細胞問題が発生したのかを総括して、功を急ぐあまりに、その
研究の過程が杜撰になっていなかったのか、もう一度見直し、体制を立て直して科学
立国を目指す日本における重要な研究拠点の一つになってほしいものです。
理研は、構造的な問題を抱えていたと言われ、それは、同じような研究が日本の各地
にある理研の研究所で行われていて、それが、理研の誰もが把握できないという構造
的な問題があると言われています。その構造的な問題が解決しない限り、つまり、理
研の全体を把握している人物が必ず存在する体制へと移行しない限り、理研は金食い
虫で成果が余り期待できない研究所になりし下がりかねません。そうならないために
も、もう一度理研は原点に返り、理研で研究できるのは研究者冥利尽きると言わしめ
るような、かつての輝かしい研究所に生まれ変わってほしいものです。
科学の進歩は、待ってくれません。技術立国を日本が目指すのであれば、研究者に過
重な成果を求めるのではなく、研究者が思う存分に研究に打ち込める研究者の桃源郷
としての理研に立ち返っもらいたいです。