チュニジアの惨劇
チュニジアの惨劇
北アフリカにあるチュニジアの首都チュニスで3月18日に起きた博物館襲撃事件は、外
国人観光客20人を含む23人が死亡するという痛ましい惨劇となりました。日本人も3人
死亡し、3人が負傷しています。チュニジアのカイドセブシ大統領は「(イスラム過激
派)アンサール・シャリアの犯行だ」と断定し、掃討作戦を強化する方針を示しまし
た。
アンサール・シャリアは、アラビア語で「イスラム法の支援者」を意味する言葉です
が、行っていることはテロ以外の何ものでもなく、これが許される世界であってはな
らないのです。
チュニジアは「アラブの春」が唯一成功した国として見られていましたが、ここが正
念場と言えます。アンサール・シャリアは、チュニジアの隣国リビアやエジプトにも
存在していて、武器の供与や情報交換などを通して相互に関係しているとみられ、リ
ビアの同組織はイラク・シリアの一部地域を支配下に置くテロ組織ISIL(イスラム国)傘
下に入り、リビア国内の外国人の誘拐や襲撃を行っています。
18日の事件を受けて欧米各国はチュニジアと連携する姿勢を示しましたが、ISILをこ
のまま放置しておくと欧米でも悲惨なテロが頻発しかねない状況になり、そうなる
と、いよいよ過激派組織対国家の戦いが始まります。それは避けるべきで、これ以
上、ISILの勢力が拡大することは何としても抑え込まなければなりません。
ちなみに3月20日はオウム真理教による地下鉄サリン事件が起きた日です。オウム真理
教のような宗教の名を借りたテロ組織が世界規模で巻き起こっているのです。これに
はどうしても歯止めがなければ暴走を止めることは不可能です。手遅れになる前に世
界各国は何らかの方策を話し合うべきときに来ているように思います。