マクドナルドの危機
売り上げが大幅に減少し赤字を計上した日本マクドナルド。今年1月の異物混入問題が
それに拍車をかけ、さらに売り上げが減るという負の連鎖の中に迷い込んだような状
態です。日本マクドナルドでは希望退職者の募集、131店舗の閉鎖、大幅改装など短期
間で再生プランを練り直しましたが、日本マクドナルドが陥っている危機には焼け石
に水のようにさえ見えます。
そもそも健康志向からマクドナルドのジャンクフードは敬遠されがちな社会の雰囲気
がある中でのマクドナルドの位置づけをはっきりしなければ、さらに混迷が深まるば
かりです。来期の黒字化を目指すと日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長兼最高経
営責任者(CEO)は語っていますが、マクドナルドも何かハンバーガーなどのジャンクフ
ードから脱皮して新商品を発売しない限り、じり貧の状態から抜け出せないように見
えます。
同業他社の例えばモスバーガーは高級感のイメージ戦略が成功し、ハンバーガーをジ
ャンクフードとの位置付けから押し上げた感がありますが、マクドナルドは、一体ど
のような方向に進みたいのか全く見えてこないのです。ジャンクフード=マクドナル
ドという等式が成り立っている限り、マクドナルドの再生はあり得ず、マクドナルド
離れはさらに加速するものとみられます。
ともかく、日本マクドナルドは、ジャンクフードを売ることに徹して衰退の道を歩む
のか、それとも健康志向に順応しての新商品を提供できるのかで明暗が分かれるよう
に思います。