ギリシャ危機に見る欧州の楽観論
ギリシャが債務不履行(デフォルト)の可能性が取り沙汰されていますが、これに関係し
て、ドイツをはじめとする欧州のユーロ圏は、ギリシャがユーロ離脱をした場合を想
定して物事を進めているようなのです。つまり、ギリシャは既にユーロ圏から見放さ
れたといっても過言ではありません。
これに対して欧州各国にギリシャのデフォルトが世界各国に対して波及することはな
いと折に触れて発言していますが、本当にそうなのか、実際には誰も解かりません。
ユーロ圏の楽観的な姿勢とは対照的に米国ではリーマン・ショックを経験しているこ
とから、ギリシャがデフォルトに陥ってしまった場合、ユーロに対する見方は厳しい
ものとなり、ユーロが暴落するかもしれません。そうするとドイツなどの貿易黒字国
は、ユーロが暴落することでさらに輸出の競争力が付き、ギリシャのような「問題
児」を囲っておくことの方がリスクが大きいと考えているようです。
つまり、ギリシャはユーロ圏におけるトカゲの尻尾きりに過ぎず、ユーロ圏の言い分
によれば、影響は非常に限定的なのだそうです。しかし、仮にギリシャがデフォルト
に陥れば、それがスペインやイタリアなどギリシャと同様の状況の国々に何らかの影
響が波及することは間違いなく、欧州各国の株価は暴落するかもしれません。そうす
ると欧州発の世界恐慌が起こる可能性は捨てきれないのです。物事は予想に反して何
が起きるのかわからないものなのです。だから、仮にギリシャがデフフォルトに陥っ
た場合、それはどのように世界各国に影響するのかは誰にもわからないものとしか言
いようがなく、欧州の楽観的な見方はあまりにも甘過ぎると言えます。