ロボットの犯罪は裁けるのか
5月20日付の日本経済新聞電子版の記事『「ロボットの犯罪」裁けるか 米ロースクー
ルの先進講義』という記事があり、常日頃疑問に思っていたことを米国のスタンフォ
ード大学では既に議論がなされているということをこの記事には書かれていて、やは
り、ロボットや人工知能が今以上に発達すると、ロボットや人工知能は犯罪に使わ
れ、それに対して罪は問えるということになるかもしれない時代が直ぐそこに来てい
ることを実感した記事でした。
科学は戦争により発展してきたとはよく言われることですが、これからロボットや人
工知能は更に発達すると、善悪の判断が付く「存在」になり得るかもしれません。こ
のことは、犯罪者は常に時代の最先端のものを取り入れて、それを巧みに使いこなし
ながら、犯罪を犯すということは世の常で、ロボットも人工知能もその例外ではあり
ません。犯罪者が犯罪のためにロボットや人工知能を利用した場合、その裁判で、被
告席にロボットや人工知能が呼び出される時代が来るのかもしれません。人間は、ロ
ボットや人工知能を素晴らしいことに使うことが大勢だと思いますが、少なからぬ人
はロボットや人工知能を犯罪に使うことは十分に考えられます。
その場合、犯罪を目的に人工知能が学習してきた場合、人工知能を初期化し、人工知
能の発達の仕方を健全なものとするというようなことはもうすぐに起こる未来予想図
に違いありません。また、ロボットも武器を持たせて犯罪者の手先となり得ることは
十分に考え得るのです。この場合、果たして、人工知能に、また、ロボットに罪を帰
せても、多分、誰も納得できずに、もやもや感ばかりが募るだけの何ともいやな社会
が来るのかもしれません。
しかし、ロボットや人工知能の発達はこうした「悪」に加担する面もありますので、
法律はこうした新手の犯罪に対してどう裁くのか想定問答のようなことを行う必要が
あると思います。