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東南アジアで打倒アマゾン

 

5月20日付の日本経済新聞電子版に「東南アジアで打倒アマゾン 日の丸クラウドの勝

算」という記事があり、現在、NTTコミュニケーションズとインターネットイニシア

ティブ(IIJ)が地道にデータセンターを整備し、「日の丸クラウド」を東南アジアで展開

しているということを知りました。

 

日本国内のクラウドのシェアはアマゾン・ドット・コムなどの米国勢にシェアを奪わ

れましたが、そんな日本の企業が東南アジアでは先行投資を行い、アマゾンを出し抜

くかもしれないデータセンター網を築き上げているというのです。東南アジアでは、

クラウド市場がようやく立ち上がり、IT資源をインターネット経由で利用する重要が

急速に高まっているのです。これは東南アジア諸国連合(ASEAN)の「一体化」が進

み、また、域内の貿易を自由化する「ASEAN経済共同体」(AEC)が間もなく発足する

予定で、これを機に国境を越えたビジネスが盛んに行われるということがその背景に

あります。

 

そして、尚「日の丸クラウド」を東南アジアで推し進める強力なバックラウンドにサ

ーバやストレージなどを集約するデータセンターの整備があるのです。それというの

も、アマゾンの手法は、通信販売に利用している自社のデータセンターの余ったリソ

ースを貸し出してアマゾンはクラウドの低コスト化に成功しているのですが、東南ア

ジアでは自国内でのデータセンターの整備を追求し、自国でIT資源を活用するという

方向性が顕著で、これでは各国にデータセンターを整備しないアマゾンの手法は東南

アジアでは通用しないのです。

 

その点、日本は、既に中国やインド、タイ、マレーシアなどできめ細かいデータセン

ターを整備してきたという実績があるのです。しかし、ここにも盲点があり、日本の

NTTコミュニケーションなどはその知名度がほとんどなく、ブランド力の向上が一番

望まれることのようです。

 

果たして日本勢がアマゾンなどの米国勢を蹴落として東南アジアを足掛かりにして反

転攻勢に転じるのかは依然不透明ですが、ただ、アマゾンの「殿様商売」は東南アジ

アでは通用しないということだけは確かなようです。