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ギリシャ問題続報

 

ギリシャ支援の再開を巡るギリシャ欧州連合(EU)との交渉は六月末の最終合意に向

けた動きが全く読めなくなり、懸念が広がっています。ユーロ圏十九か国の財務相

ルクセンブルグで6月18日に開いていた会合が何の進展もないまま終了したためです。

EU側としては22日にブリュッセルで緊急ユーロ圏首脳会議を開催して、ギリシャとの

政治決着を目指すことになりましたが、ギリシャとの合意に至るのかは全く解かりま

せん。

 

ユーロ圏財務相会合のディセルブルム議長(オランダ財務省)は会合の終了後の記者会見

で「進展はほとんどなかった」と述べました。記者団から、交渉がまとまらず、ギリ

シャがユーロ圏から離脱を迫られるのかと問われると「現状はその方向に進んでい

る」と語りました。つまり、現状のまま、ギリシャとの交渉が決裂する可能性が高い

ということのようです。

 

22日に予定されているユーロ圏の首脳会議は、各国の首脳らがギリシャのチプラス首

相に最後通牒を通告する場になりそうで、ギリシャに金融支援の打ち切りを受け容れ

るか財政改革をするのかの二者択一を迫るものとみられます。

 

そんな中で、ギリシャ国内では預金を銀行から下ろす人が急増していて、デフォルト

(債務不履行)を睨んでのギリシャ国民の動きとして注視されています。

 

そして、6月末までにギリシャから返済を受ける側の国際通貨基金(IMF)は返済に「猶

予期間はない」と明言していて、もう、ギリシャの逃げ道はほぼゼロと言ったところ

です。ギリシャが仮にIMFにら返済できずにデフォルトに陥ると、ギリシャでは銀行や

企業の破綻が起きて、ギリシャ経済は大打撃を受けること必至です。また、金融市場

が大きく影響を受けるとギリシャからの資本流失が起こり、ギリシャでは銀行からの

現金引き出しの制限や、国外送金の禁止など「資本規制」に迫られること必定と言え

ます。

 

ギリシャに残された時間はもうありません。ギリシャのチプラス首相は、屈辱を噛み

締めつつもEUの要求を受け入れる以外にギリシャの進む道は残されていないのが実情

ではないでしょうか。そのために、ギリシャ国内ではデモが発生したりと混乱するか

もしれませんが、資本規制よりもまだ、デモで済めばいいと思います。