骨太の方針と成長戦略
政府は6月22日、日本のこれからを見つめての骨太の方針と成長戦略の素案をまとめま
した。それによるとロボット開発やビッグデータへの投資を企業に促すことや、地方
経済や中小企業にも改革を求めているのが目につきます。
これから人口減少が急速に進む日本において、生産性の向上は喫緊の課題で、安倍晋
三政権は経済成長を推し進めることで、労働力不足を補うことのようです。
安倍首相は22日、産業競争力会議で「成長戦略は新たなステージに入る」と宣言し、
アベノミクスの軸をデフレ解消から人口減少による労働力不足を補うことに移しまし
た。また、経済財政諮問会議では現在一%に満たない潜在成長力を二%程度を上回る
成長に高めてゆくことを訴えました。
過去二回の成長戦略は農業、労働、医療の三分野の規制改革や、企業の国際競争力を
高めるのに不可欠な法人税の引き下げの敢行でした。そして、今回は「生産性革命を
実現する」と述べています。
その回答としての素案ですが、そこにはロボット開発を始め、あらゆるものをインタ
ーネットで繋ぐIoT(インターネット・オブ・シング)、ビッグデータの活用強化が目玉
となっています。ITの進展で産業や就業構造を変える「第四次産業革命」を世界に先駆
けて起こしたいようです。これはドイツが既に行っているものを踏襲していますが、
しかし、日本の個々の企業では第四次産業革命と言われるものの手練手管は手中にし
ていて、後は、どのように企業間の連携を図るかだけまで、日本の企業は狡猾に将来
の準備を進めています。それに関してようやく政府が音頭を取る形で推し進めること
になります。
産官学が連携し、また、米国のシリコンバレーに日本から二百社を派遣し、新産業の
創出に繋げたいとしています。
また、大学改革も同時に推し進め、世界の大学と互角に渡り合える教育・研究水準を
誇る「特定研究大学」制度などを創設し、人材の育成にも力を入れます。そして、地
方に関しては「ローカルアベノミクス」と銘打ち、地方経済の変革も促すようです。
ともかく、日本企業の生産性の向上と、第四次産業革命に乗り遅れないようにするこ
とがこれからの日本の生き残る道と言えます。IoTのような日本の得意分野とも言える
産業の創出で他国を凌ぐほどに日本企業が大活躍すれば、現在よりも「希望」がある
未来が待っているのかもしれません。