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シャープの再びの赤字

シャープの再びの赤字

 

シャープが再び会社存続の危機に陥っています。2015年3月期の連結最終損益は従来予

想されていた黒字から赤字へと転落することが確実です。これはシャープを支えてい

スマートフォン用パネルでの苦戦が原因です。何故、シャープが苦境に立たされた

のかといえば、それは、頼みの綱だった中国の小米(シャミオ)との取引で、新規契約が

できなくなったからなのです。

 

それではシャープの代わりにスマートフォン用パネルをシャミオはどこから仕入れて

いるのかというと、日本のジャパンディスプレイなのです。ジャパンディスプレイ

日立製作所東芝ソニーのパネル子会社が母体となって2012年に発足した会社で、

元をただせば韓国勢や台湾勢に圧されて苦境にあった日本の液晶パネル事業を救うた

めに政府が出資する官民ファンド産業革新機構が作り上げた「日の丸」液晶連合な

のです。当然、ジャパンディスプレイを立ち上げるときにシャープにも連合入りの打

診がありましたが、シャープは「ノー」と言って断ったと言います。ここにシャープ

の奢りがあったのではないかと思います。

 

シャープは官の助けなどいらないと高をくくっていた筈です。しかし、現在、シャー

プは進退窮まった所にまで追い詰められてしまいました。ジャパンディスプレイから

シャープへの助け船は、現時点では公になっていませんが、近い将来「日の丸」液晶

連合にシャープも加わる可能性が大きいと見られます。

 

とはいえ、ジャパンディスプレイが順風満帆かといえば、そんなことはなく、ジャパ

ンディスプレイの2015年3月期の最終損益は赤字を見込んでいます。しかし、ジャパン

ディスプレイは自信満々なのです。ジャパンディスプレイの大塚周一社長は「V字回復

期する」と将来に明るい手応えを掴んでいるようなのです。

 

シャープは米アップルのiPhoneでも苦湯を飲まされました。シャープは一時期アップ

ルと蜜月な関係を築いていましたが、それは長くは続きませんでした。アップルは

2013年のiPhoneの売れゆきが予想より下であることで、さっとシャープとの関係を絶

ったのです。そして、シャープは苦境に陥りました。そこでシャープが見つけ出した

のがシャミオなのですが、再びシャープは同じ轍を踏んでいるようにしか見えませ

ん。

 

シャミオとの取引を失ったシャープに残された道は少ないと言わざるを得ません。シ

ャープは恥や外聞を捨てて、日の丸連合の仲間に入ればいいのですが、果たして「液

晶のシャープ」という見栄をシャープが捨てられるのかどうか、見守りたいと思いま

す。