遺伝子解析の功罪
2014年から民間企業が相次いで参加し、一大ブームとなるかもしれない遺伝子解析サ
ービス。しかし、ここにきて、医学界からの反発を招き、遺伝子解析サービスに対す
る風当たりが強いという状況のようです。それは、例えばゲーム会社として知られて
いるDeNAライフサイエンスが提供する個人向け遺伝子解析サービス「MYCODE(マイ
コード)」で、起きてたことですが、遺伝子解析サービスを受けた人から「インターネ
ット経由で受けた遺伝子解析サービスで、『脳血管の異常を起こす病気になるリスク
が高い』と診断されたのですが、大丈夫でしょうか」「サービス会社に相談したら、
専門家がいない、と言われました」と言った相談が医療関係者に寄せられていると言
います。
そもそもこの遺伝子解析がどれ程正確なのか現時点では皆目解からないのです。米女
優が遺伝子解析の結果、乳房や子宮、卵巣を全摘出したということで一躍注目を集め
たこの遺伝子解析サービスですが、大腸がんや乳がん等のある特定の遺伝子の有無で
起きることが解かっているものに関してはリスクがあるとサービス会社からの情報提
供は意味があるかもしれませんが、しかし、それ以外、遺伝子解析はどこまで信用す
るに足りるのか疑問でなりません。
そして、遺伝子解析サービスを行っている会社がまるで占いを行っているかのような
サービスを行う様相を呈すると、それは違うと医学界から大きな反発が起きているの
です。これは当然の流れで、遺伝子解析サービスを次の成長株として捉えていた向き
には不都合な状況なのかもしれません。
また、米国や韓国などの外国では法整備が整っていて遺伝子解析サービスが順調に推
移していると言いますが、何から何まで遺伝子に帰してしまう潮流に対してどこか変
に感じるのは私だけとは思えないのです。確かに遺伝子が病気等に大きく関与してい
ることは否定しません。しかし、遺伝子解析の結果、性格が判定できたりするサービ
スの状況を見るにつけ、それは眉唾物と断じざるを得ないのです。医学界から反発が
起きるのもさもありなんなのです。
このまま「市民の恐怖をあおるだけ」のような遺伝子解析サービスが続く場合、日本
では遺伝子解析サービスは医学界の強い反発により露と消えてしまう可能性が多分に
あるのです。