イルカ問題
世界動物園水族館協会(WAZA)は日本の和歌山県太地町のイルカ漁の「追い込み漁」が
「残酷」という理由で、日本の水族館などが太地町からイルカを入手することをこの
まま続けるとWAZAから除名すると予告していたことにより、5月20日に日本動物園水
族館協会(JAZA)はWAZAへの残留を決めました。
WAZAは50か国以上の団体が所属するもので、日本のイルカの追い込み漁が倫理規範
違反との理由で、日本協会に対して会員資格を停止し、21日までに改善策を取らない
と除名すると「脅し」をかけていましたが、日本の動物園水族館は世界の希少動物の
繁殖など海外から協力が得られないとの判断から、除名となることに反対する意見が
多数を占めたことで、今回このような結論に至りました。
しかし、これは欧米の価値の押し付けでしかありません。それに従わなければ、除名
という脅しをかけて日本に圧力をかけるという余りにも「卑怯」な方法で日本人のイ
ルカ漁に対する根拠なき脅しが行われたということは、今もって世界標準は欧米の価
値観という前提で物事が進む悪しき前例を作ってしまったのではないかと危惧しま
す。仮にイルカが「利口」とか「可愛い」とか言った理由で欧米が日本の追い込み漁
に対して脅しをかけてきたのであれば、それは余りにもご都合主義に過ぎないという
ことであり、イルカやクジラに対する日本人と欧米との価値観のずれは最早、埋めよ
うもなく、このことは、翻って権力を握っている方がその価値観を一方的に押し付け
るということが、つまり、これから欧米以外の国に対して欧米の価値観を押し付ける
ことが行われるということを意味し、それは、余りにも不合理です。