米株高
世界の眼がギリシャン問題に向いていますが、6月18日の米株式市場では終値は前日比
百八十ドル余り高く引けました。これは米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが
緩やかになるとの期待感から相場を押し上げたとみられています。
前日まで開かれていた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、イエレンFRB議長が利上げ
に踏み出すにしてもそれは緩やかになるとの期待感が米株式市場には広がったよう
で、欧州でのギリシャ問題をよそ目に、米株式市場は熱気に包まれていたようです。
市場関係者は米国の低金利政策が思いのほか長引くとの思いからの値上がりで、何と
も世界中で低金利を行っているこの「異常事態」は、まだまだ続きそうなのです。現
時点で、金利を上げる冒険をする国が世界を見ても米国以外現れることはないという
のが正直なところではないでしょうか。
唯一、米国のみが超低金利政策を転換し、利上げに踏み切るのではないかとみられて
いますが、それが、決して急いでいないとの見方が広がったことで株価は上昇しまし
た。
日本はデフレからの脱却を、欧州ではギリシャ問題、新興国では、例えば中国などは
景気減速局面にある中で、金利を引き下げている最中です。世界中で、唯一、米国の
みが金利の引き上げの余地が残っていて、これは「異常事態」なのです。仮に米国が
利上げに慎重な場合、世界中でマネーが溢れて、高々一国などはそのマネーの奔流に
翻弄されてしまい、最早、マネーに対して国単位ではどうしようもない状況が生まれ
ています。マネーに狙われたならば、その国はなされるがままになるに違いないので
す。
それ程に世界中が超低金利であることはリスクと隣り合わせで、いつどこでマネーが
暴れるのか解からない、不透明な時代が尚も続くことに世界の人々は覚悟を決めるし
かないのが現状です。