ギリシャ問題
ギリシャと欧州連合(EU)との交渉がどうなるのか世界が注視していますが、そんなこ
とをギリシャは知ってか知らずか、EUに対してギリシャはデフォルト(債務不履行)も
覚悟しているかのように、また、ユーロ離脱を念頭においているかのように振舞って
いて、懸念が世界中に広がっています。
そもそもギリシャ問題とは何かというと、ギリシャが抱えている債務問題のことで
す。ギリシャの債務は現在、3130億ユーロで、これはギリシャの国内総生産(GDP)の
175%の額なのです。これは、返済が始まるのが2020年で、30年かけて返済すればい
いのです。ですので、この債務ではギリシャが危機に陥ることはありません。問題な
のは、この他にギリシャは欧州中央銀行(CEB)に対して270億ユーロ、国際通貨基金
(IMF)に対して200億ユーロ、そして、民間債務、国庫短期証券の四種類の債務を抱え
ていることが問題なのです。ここで期限が五年以内に迫っているのが、ECBとIMFの債
務なのです。九月末までに100億ユーロの満期が迫っているのです。
このために、仮にギリシャがデフォルトに陥り、ユーロ危機が再び再燃すれば、世界
経済にも少なからぬ影響があり、世界中がじっとEU、特にドイツとギリシャの交渉の
落としどころを見つめているのです。
報道によれば、ドイツではギリシャがユーロを離脱するのもやむなしとの雰囲気が広
がっているようで、仮にギリシャがユーロから離脱し、デフォルトに陥れば、欧州で
の影響がどのような形で噴出し、それが制御可能なものなのか、はたまた、世界経済
への影響はどこまでなのかを見極めなければなりません。
このギリシャの交渉の仕方を「チキンレース」と報じているメディアもあり、チキン
レースの果てに崖から落ちるのはギリシャのみなのか、それともギリシャのチキンレ
ースに付き合っている欧州なのか、世界の耳目が現在集まっています。