国会会期延長
国会は6月22日の衆議院本会議で、24日までの会期を9月27日まで95日間延長すると与
党などの賛成多数で議決しました。これは国民に不評な安全保障関連法案を何として
も今国会で成立させるための会期延長なのです。たぶん、安倍晋三首相にとってはこ
の安全保障関連法案の成立は、政治信条の一つなのは間違いないと思います。それが
安倍首相が言う「戦後レジームからの脱却」なのかどうかは解かりませんが、たと
え、国民の支持を失っても、この安全保障関連法案は成立させる筈です。
報道によれば、安倍首相は当初八月上旬までの延長を望んでいたようで、しかし、来
夏の参議院選挙を控えていることから、国民に対して「丁寧な議論」を求める与党に
配慮したため、会期が95日間と最長の延長となったようです。
例えば、衆議院憲法審査会で憲法学者が安全保障関連法案を「違憲」と指摘し、それ
に乗じて野党の反対論に勢いがついたために、安全保障関連法案の先行きの見通しが
見えなくなっています。世論調査でも、国民の過半数はこの安全保障関連法案、特に
一部とはいえ集団的自衛手権の行使の容認に関して慎重な見方を示しています。
しかし、安倍首相はこの安全保障関連法案と心中覚悟で何としても成立させることを
目指し、また、日本の生き残る道はこれしかないと思い詰めているようにすら見える
のです。国民の顔色ばかりを窺っていては悪しきポピュリズムに政治が陥りますが、
この安全保障関連法案は、今後、日本が世界でどのように生き残るのかを決する重大
な問題なのです。これは、しかし、決して「戦争法案」ではなく、日本の安全保障を
これからどう構築するのかを安倍首相は国民に問うているのです。それに対して国民
は真剣に応えなければなりません。