いろいろな事があるんだね

社会、経済、身の回りについて思考する

戦後70年談話で謝罪なし

 

米ウォール・ジャーナル・ストリート紙や産経新聞で、安倍晋三首相が今夏に発表す

る戦後70年談話で、第二次世界大戦に対する「謝罪」を盛り込まない方向で話が進ん

でいるようなことが報道されています。

 

70年談話に関しては、戦後50年の村山富市首相談話、同60年の小泉純一郎首相談話が

言及した「植民地支配と侵略」「おわび」の表現を盛り込むかどうか問題となってい

て、70年談話もその例にもれず、植民地支配と侵略とおわびの文言を盛り込むかどう

かが問題となっています。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル紙では、安倍首相が4月下旬にテレビ番組で「同じ

ことなら談話を出す必要がない」と語り、この後、安倍首相は中国の出方を窺ってい

たと言います。安倍首相はこのテレビでの発言直後のバンドン会議での演説で「先の

大戦の深い反省」には言及しましたが、「おわび」には言及しませんでした。

 

また、米議会上下院合同会議での演説でも「痛切な反省」に言及していますが、謝罪

はしませんでした。そして、産経新聞によれば、有識者会議「21世紀機構懇談会」の

座長、西室泰三日本郵政社長の発言として戦後70年談話に「謝罪必要なし」との記事

が載っています。

 

個人的には、安倍首相がどんな談話を発表しようが、中韓は坊主に憎けりゃ袈裟まで

憎しの如くどんな談話の内容でも必ず批判するに決まっていますので、安倍首相の思

いがこもった談話を発表すればいいと思います。その際に、「謝罪」「おわび」にあ

えて触れる必要はないと思います。

イルカ問題

 

世界動物園水族館協会(WAZA)は日本の和歌山県太地町のイルカ漁の「追い込み漁」が

「残酷」という理由で、日本の水族館などが太地町からイルカを入手することをこの

まま続けるとWAZAから除名すると予告していたことにより、5月20日に日本動物園水

族館協会(JAZA)はWAZAへの残留を決めました。

 

WAZAは50か国以上の団体が所属するもので、日本のイルカの追い込み漁が倫理規範

違反との理由で、日本協会に対して会員資格を停止し、21日までに改善策を取らない

と除名すると「脅し」をかけていましたが、日本の動物園水族館は世界の希少動物の

繁殖など海外から協力が得られないとの判断から、除名となることに反対する意見が

多数を占めたことで、今回このような結論に至りました。

 

しかし、これは欧米の価値の押し付けでしかありません。それに従わなければ、除名

という脅しをかけて日本に圧力をかけるという余りにも「卑怯」な方法で日本人のイ

ルカ漁に対する根拠なき脅しが行われたということは、今もって世界標準は欧米の価

値観という前提で物事が進む悪しき前例を作ってしまったのではないかと危惧しま

す。仮にイルカが「利口」とか「可愛い」とか言った理由で欧米が日本の追い込み漁

に対して脅しをかけてきたのであれば、それは余りにもご都合主義に過ぎないという

ことであり、イルカやクジラに対する日本人と欧米との価値観のずれは最早、埋めよ

うもなく、このことは、翻って権力を握っている方がその価値観を一方的に押し付け

るということが、つまり、これから欧米以外の国に対して欧米の価値観を押し付ける

ことが行われるということを意味し、それは、余りにも不合理です。

東南アジアで打倒アマゾン

 

5月20日付の日本経済新聞電子版に「東南アジアで打倒アマゾン 日の丸クラウドの勝

算」という記事があり、現在、NTTコミュニケーションズとインターネットイニシア

ティブ(IIJ)が地道にデータセンターを整備し、「日の丸クラウド」を東南アジアで展開

しているということを知りました。

 

日本国内のクラウドのシェアはアマゾン・ドット・コムなどの米国勢にシェアを奪わ

れましたが、そんな日本の企業が東南アジアでは先行投資を行い、アマゾンを出し抜

くかもしれないデータセンター網を築き上げているというのです。東南アジアでは、

クラウド市場がようやく立ち上がり、IT資源をインターネット経由で利用する重要が

急速に高まっているのです。これは東南アジア諸国連合(ASEAN)の「一体化」が進

み、また、域内の貿易を自由化する「ASEAN経済共同体」(AEC)が間もなく発足する

予定で、これを機に国境を越えたビジネスが盛んに行われるということがその背景に

あります。

 

そして、尚「日の丸クラウド」を東南アジアで推し進める強力なバックラウンドにサ

ーバやストレージなどを集約するデータセンターの整備があるのです。それというの

も、アマゾンの手法は、通信販売に利用している自社のデータセンターの余ったリソ

ースを貸し出してアマゾンはクラウドの低コスト化に成功しているのですが、東南ア

ジアでは自国内でのデータセンターの整備を追求し、自国でIT資源を活用するという

方向性が顕著で、これでは各国にデータセンターを整備しないアマゾンの手法は東南

アジアでは通用しないのです。

 

その点、日本は、既に中国やインド、タイ、マレーシアなどできめ細かいデータセン

ターを整備してきたという実績があるのです。しかし、ここにも盲点があり、日本の

NTTコミュニケーションなどはその知名度がほとんどなく、ブランド力の向上が一番

望まれることのようです。

 

果たして日本勢がアマゾンなどの米国勢を蹴落として東南アジアを足掛かりにして反

転攻勢に転じるのかは依然不透明ですが、ただ、アマゾンの「殿様商売」は東南アジ

アでは通用しないということだけは確かなようです。

ロボットの犯罪は裁けるのか

 

5月20日付の日本経済新聞電子版の記事『「ロボットの犯罪」裁けるか 米ロースクー

ルの先進講義』という記事があり、常日頃疑問に思っていたことを米国のスタンフォ

ード大学では既に議論がなされているということをこの記事には書かれていて、やは

り、ロボットや人工知能が今以上に発達すると、ロボットや人工知能は犯罪に使わ

れ、それに対して罪は問えるということになるかもしれない時代が直ぐそこに来てい

ることを実感した記事でした。

 

科学は戦争により発展してきたとはよく言われることですが、これからロボットや人

工知能は更に発達すると、善悪の判断が付く「存在」になり得るかもしれません。こ

のことは、犯罪者は常に時代の最先端のものを取り入れて、それを巧みに使いこなし

ながら、犯罪を犯すということは世の常で、ロボットも人工知能もその例外ではあり

ません。犯罪者が犯罪のためにロボットや人工知能を利用した場合、その裁判で、被

告席にロボットや人工知能が呼び出される時代が来るのかもしれません。人間は、ロ

ボットや人工知能を素晴らしいことに使うことが大勢だと思いますが、少なからぬ人

はロボットや人工知能を犯罪に使うことは十分に考えられます。

 

その場合、犯罪を目的に人工知能が学習してきた場合、人工知能を初期化し、人工知

能の発達の仕方を健全なものとするというようなことはもうすぐに起こる未来予想図

に違いありません。また、ロボットも武器を持たせて犯罪者の手先となり得ることは

十分に考え得るのです。この場合、果たして、人工知能に、また、ロボットに罪を帰

せても、多分、誰も納得できずに、もやもや感ばかりが募るだけの何ともいやな社会

が来るのかもしれません。

 

しかし、ロボットや人工知能の発達はこうした「悪」に加担する面もありますので、

法律はこうした新手の犯罪に対してどう裁くのか想定問答のようなことを行う必要が

あると思います。

遺伝子解析の功罪

 

2014年から民間企業が相次いで参加し、一大ブームとなるかもしれない遺伝子解析サ

ービス。しかし、ここにきて、医学界からの反発を招き、遺伝子解析サービスに対す

る風当たりが強いという状況のようです。それは、例えばゲーム会社として知られて

いるDeNAライフサイエンスが提供する個人向け遺伝子解析サービス「MYCODE(マイ

コード)」で、起きてたことですが、遺伝子解析サービスを受けた人から「インターネ

ット経由で受けた遺伝子解析サービスで、『脳血管の異常を起こす病気になるリスク

が高い』と診断されたのですが、大丈夫でしょうか」「サービス会社に相談したら、

専門家がいない、と言われました」と言った相談が医療関係者に寄せられていると言

います。

 

そもそもこの遺伝子解析がどれ程正確なのか現時点では皆目解からないのです。米女

優が遺伝子解析の結果、乳房や子宮、卵巣を全摘出したということで一躍注目を集め

たこの遺伝子解析サービスですが、大腸がんや乳がん等のある特定の遺伝子の有無で

起きることが解かっているものに関してはリスクがあるとサービス会社からの情報提

供は意味があるかもしれませんが、しかし、それ以外、遺伝子解析はどこまで信用す

るに足りるのか疑問でなりません。

 

そして、遺伝子解析サービスを行っている会社がまるで占いを行っているかのような

サービスを行う様相を呈すると、それは違うと医学界から大きな反発が起きているの

です。これは当然の流れで、遺伝子解析サービスを次の成長株として捉えていた向き

には不都合な状況なのかもしれません。

 

また、米国や韓国などの外国では法整備が整っていて遺伝子解析サービスが順調に推

移していると言いますが、何から何まで遺伝子に帰してしまう潮流に対してどこか変

に感じるのは私だけとは思えないのです。確かに遺伝子が病気等に大きく関与してい

ることは否定しません。しかし、遺伝子解析の結果、性格が判定できたりするサービ

スの状況を見るにつけ、それは眉唾物と断じざるを得ないのです。医学界から反発が

起きるのもさもありなんなのです。

 

このまま「市民の恐怖をあおるだけ」のような遺伝子解析サービスが続く場合、日本

では遺伝子解析サービスは医学界の強い反発により露と消えてしまう可能性が多分に

あるのです。

米の公務員年金問題

 

米国の公務員年金問題が世界経済のリスク要因として浮かび上がっています。5月8日

「2013年の年金改革は違法」との判決が米イリノイ州最高裁により下されました。こ

れは、2013年に州議会が可決した公務員年金の実質的な減額を含む年金改革法の有効

性に関する裁判なのですが、この裁判で退職手当の削減を禁じた州憲法に違反すると

して公務員労組側が勝訴したのです。

 

米国の公務員年金問題は深刻のようで、現状のまま何の手だても打たなければ、2018

年には年金が干上がってしまうと言われているのです。米国の公務員は手厚い年金で

保護されています。しかし、そのことで、州単位では公務員年金が途轍もない重荷に

なり、州政府が身動きが取れない状況に陥っているのが現状のようです。

 

簡単に言えば、これは米国にある不良債権で、リーマン・ショックのようなものが米

国発で起きないとも限らないのです。中長期的に公務員年金に関して改革をしなれ

ば、増税公共サービスの縮小など住民生活に大きな負担をかけることになるので

す。

 

これは何もイリノイ州に限った問題ではないのです。カルフォルニア州を始め、全米

の各州がイリノイ州と同様の問題を抱えています。米国は訴訟の国柄です。州政府が

公務員年金の減額等の改革を行うとすると労組がそれに反旗を翻し、直ぐに裁判沙汰

になるのは目に見えています。それを承知で模州政府は改革を断行しなければ米国は

混乱します。このリスクの根を絶たなければ、世界経済に与える影響は計り知れない

ものになるかもしれません。

ドコモから「ガラホ」、料金もケータイと同じ

 

NTTドコモが発表したガラホ(中身はスマートフォンと同じAndroidでありながら、見た

目や操作性はガラケーと呼ばれる日本独自のケータイのこと)は、シャープ製の「アク

オス ケータイ」と富士通製の「アローズ ケータイ」の2機種で6月中旬に発表され

る予定です。

 

ガラホはタッチパネルは使えませんが、操作性はテンキーにより、これまでのガラケ

ーに慣れ親しんでいる人にとっては朗報に違いありません。そして、ドコモではガラ

ホの料金体系が従来のガラケーと同じで、スマートフォンに比べてかなり安くなって

います。これを知ったKDDIもガラホの料金体系を値下げさせることを発表し、これは

スマートフォンも巻き込んでの熾烈な値下げ競争に突入するかもしれない起爆剤にな

る可能性すらあるのです。

 

そして、ガラホを世界に売り込めれば、スマートフォン市場に乗り遅れた日本のメー

カーにとっては大チャンスが到来することになります。

 

シャープと富士通がガラホを発売することになったのは、ひとえに海外メーカーの参

入が難しいケータイという分野でのシェアの獲得を維持したいという思惑があるから

です。そのためにシャープと富士通がこだわったのが、「ワンプッシュオープン」で

す。

 

ワンプッシュオープンとは、ケータイのヒンジ部分に付いているボタンを押すと液晶

部分がパカッと開く構造になっていることを言います。これはパナソニックモバイル

コミュニケーションズが採用して一気に人気となった機能で、ガラケーには欠かせな

い機能なのです。

 

ガラケーはこのワンプッシュオープンという機能故に日本ではまだかなりのシェアを

占めていて、ワンプッシュオープン機能があるからガラケーのままという人も少なく

ありません。これまでワンプッシュオープンというとパナソニックというイメージが

あるほどに、ワンプッシュオープンはパナソニックの独断場でしたが、ガラホでシャ

ープと富士通がワンプッシュオープンを採用したことで、日本国内でのシェア争いに

拍車がかかり、業界が活性化することを希望します。

 

しかも、パナソニックNECは既にスマートフォン開発からの撤退を発表しており、

パナソニックガラケーを愛しているユーザは、言うなれば「宝の山」で、これを逃

す手はないということで、シャープと富士通はガラホでワンプッシュオープンを採用

したものと思われます。